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飯豊ながめやま牧場に放牧酪農牛乳の見学に行ってきました。(7月17日第1回産地見学会)

2014.07.22

放牧場から牛舎に戻る牛たちの前で

心配された朝の雨も上がり、県の南西部飯豊町の「ながめやま牧場」に内陸の組合員、職員が集まりました。はじめに梅津副社長さんより、「この牧場は、昭和47年に造成し、平成18年から新たに搾乳事業を始め、平成22年に国の放牧酪農牛乳の認証を取って、現在に至っています。あとで説明があるとおもいますが、ここは耕畜連携、できるだけお互い地元のものを利用して地域で循環させる、そしてエコフィードというのを特徴にして安全安心、環境にやさしい牛乳づくりに努めていますのでよろしくお願いします。」とあいさつがありました。続いて奥羽乳業の鎌上部長さんより、「これまでのなかよし牛乳の利用のお礼となかよし牛乳と同じ製法(75℃15秒間殺菌)で製造している今度の放牧酪農牛乳もよろしくお願いします。」とあいさつがありました。  まず放牧酪農牛乳の試飲をしました。さらっとしていてなかよしに近いおいしい風味を感じました。
  所内の衛生管理のため、青いビニールブーツを履いて遠山場長さんの案内で場内を見学しました。

以下、場長さんの説明から抜粋

放牧場について
現在こちらでは500頭弱の牛を飼っています。北海道は別ですがこれだけ広い牧場は本州ではそう多くありません。ここは放牧場だけで10haもありとても恵まれた環境です。放牧することによって牛の足腰が強くなり病気をしにくくなります。人間も同じですが、外に出て太陽を浴びて草を食べることはストレスも軽減されますのでいいお乳がでます。放牧はゴールデンウィークから雪が降るまで行われます。牛は暑さに弱い動物です。日中は暑いので夏場は夜になってから牧場に行くようです。牧場と牛舎は自由に行き来できるようになっていますので、こちらで強制はせず、牛の気分に任せています。 
牛舎について
 こちらの牛舎は柵をもうけない全部ベットにしてしまうフリーバーン方式を採用しています。牛は自由に好きな場所にいることができます。種類はホルスタインがメインですが、ジャージー種なども一緒に育てています。ここにいるのはすべてメス牛で20日おきぐらいに発情するのでよく観察して人工授精を行います。牛は人間と同じく妊娠期間が10月10日、生まれて2年目からお乳をしぼり始めます。
堆肥ハウス
 牛舎のベットの材料になります。牛の糞尿を高温で発酵させて菌のないさらさらの状態にします。ホームセンターなどで売っている完熟牛糞堆肥と同じです。これを向かいに移し、発酵が終わるまで寝かせてから使用します。ベットづくりが重要で、これがうまくいかないと乳房炎になる恐れがあるので、温度管理、調整など苦労しながらようやくこの方法で確立してきたところです。
飼料のデントコーンを自家栽培
現在多くの酪農家さんは輸入飼料を使っているわけですが、ここでは先ほども言った耕畜連携を大事にしてできるだけ地元のもので飼料を作っています。ここでは8haに飼料用のデントコーンを栽培しています。見た目はわたしたちの食べるとうもろこしとかわりませんが、飼料用作物ということでデントコーンと呼びます。 こちらの栽培にも先ほどの牛糞堆肥を使っています。まだすべてを賄えてはいませんが、今後も増やしていきたいと思っています。 
飼料庫、エコフィード
こちらではビールかす、ウイスキーかす、豆腐かす、ホールクロップサイレージ稲、稲は地元の飼料用はえぬきを使っています。ほかには果実の搾りかすなどもあります。
*エコフィード(eco-feed)とは、食品残さ等を利用して製造された飼料です。エコフィードの利用は、食品リサイクルによる資源の有効利用のみならず、飼料自給率の向上等を図る上で重要な取組です。(農水省) 

搾乳場(パーラー)
ここでは1日に2回搾ります。これは1度に30頭の搾乳ができるメリーゴーランドのような形のめずらしいシステムでまだ東北では数か所しか導入されていないものです。時間が短縮できるので牛にも人間にもメリットがあります。1回で22kgぐらい搾ります。
ここの牛は何回くらいお産をするのですか→お産の回数はこちらでは最高6産(お産する)、平均2.6~7産ぐらいです。お役御免になった牛はどうなるのですか→最終的にはドッグ、キャットフードなどの原料にもなるようです。
 
 健康的な牛の飼育と耕畜連携、エコフィードを実感できる見学・交流会になりました。関係者のみなさんありがとうございました。
  
共同購入では8月2週企画からスタート
センターでは9月に入ってからの扱い予定です。
 

フリーバーン方式の広い牛舎でホルスタイン種(右)とジャージー種(左)
フリーバーン方式の広い牛舎でホルスタイン種(右)とジャージー種(左)
こちらの施設で牛糞完熟たい肥を作ります。
こちらの施設で牛糞完熟たい肥を作ります。
エコフィード こちらは飼料用のはえぬきをまるごと粉砕した餌になります。
一度に30頭の牛のお乳がしぼれるすぐれもの
組合員になるためには