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【緊急声明】共謀罪の創設を含む「組織的犯罪処罰法改正案」への抗議

2017.06.13
衆議院議長 大島理森様
参議院議長 伊達忠一様
 
私たちは、共謀罪の創設を含む「組織的犯罪処罰法改正案」に
反対し、法案の撤回を求めます

 
 「共謀罪」の創設を含む「組織的犯罪処罰法改正案」について、自民・公明・維新の3党は衆議院法務委員会での審議を一方的に打ち切り、5月19日に委員会採決を強行し、5月23日に本会議採決を行い、衆議院を通過させました。さらに何が何でも、今国会中の成立を目指し、参議院可決に向け強引な国会運営を進めています。この法案に対する国民の憂慮の念をまったく無視して強行採決する姿勢は、およそ民主国家の在り様からかけ離れています。
 
 「共謀罪」は、実際に犯罪を行っていなくても、ある特定の犯罪を行おうと計画し、準備行為を行った段階で罪に問うのが大きな特徴です。この「共謀罪」を認めることは「既遂」を処罰することを原則とする「近代刑法の原則」を覆してしまうことが指摘されています。処罰の対象を「行為」のみに限定している刑法が、事実上、個人の内心を処罰することになり、憲法が保障する「思想・信条・内心の自由」など基本的人権を侵害し、過度な監視社会を招く恐れがあります。
 
 政府は今回の改正法案の目的を、国連の「国際組織犯罪防止条約」の締結のため、東京オリンピックを控えてテロの未然防止を図るためと説明してきました。しかし、経済犯罪を対象とした「国際組織犯罪防止条約」はテロ対策条約ではなく、共謀罪の成立も求められていません。また、日本ではすでに国連のテロ対策のための主要13条約をすべて批准しており、国際社会が求めるテロ対策に対応しています。しかも、今回の適用対象277の犯罪には著作権法や森林法など、テロ行為・越境組織犯罪いずれにも関係ないものが多数含まれています。また、対象となる「組織犯罪集団」の定義が曖昧で、幅広い市民運動や労働運動など正当な活動が監視・弾圧の対象になりかねません。戦前の治安維持法も「一般国民には関係ない」と導入されながら、その後は自由や人権が抑圧され、報道が規制され、モノが言えない社会となり、戦争に突き進んでいきました。私達は歴史に謙虚に学ぶ必要があります。
 
 生協は、多くの犠牲者と国土の荒廃、生協運動の停止を余儀なくされた先の大戦の反省から、「平和とよりよき生活」の実現を理念にかかげ、戦後の生協運動をすすめてきました。この間、特定秘密保護法、武器輸出三原則緩和、安全保障法制(戦争法)が次々制定され、「戦争のできる国づくり」が進行しています。そのうえ、監視社会を招き、基本的人権を侵害する今回の「共謀罪」創設を含む法改正は断じて容認できません。
 このたび、本日開催した第38回共立社通常総代会の出席総代全員一致の決議を受け、生活協同組合共立社では、組合員の総意として、この「共謀罪」を含む「組織的犯罪処罰法改正案」に反対し、法案の撤回を求めます。
 
2017年6月12日
生活協同組合共立社 理事会

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